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 ■vol.11 持続可能な消費とは

(キーワード:SDGs、持続可能な消費、エシカル消費)


新型コロナウイルスの感染拡大が懸念される中、経済活動をどのように再開するべきか様々な議論がなされています。日本でも5月25日に緊急事態宣言が全国的に解除され、経済活動を段階的に再開していくと政府が発表しました。また世界各国で取られた外出規制措置により大気汚染が改善したというニュースもありました。そのことから特に科学者が自然環境に配慮しながら、どのように経済活動を再開すべきかという議論を展開しています1

私たちは生活する上で地球の資源を様々な形で使用しています。そのことを意識しながら生活することは多くないかもしれません。ただ今回のパンデミックにより地球環境が改善した様子をニュースで見ると私たちが日々どれだけの資源を使っているか、意外な形で思い知らされたように思います。

このことを受けて改めて持続可能な消費の大切さを実感しています。2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)2」の目標12に「つくる責任・つかう責任」として持続可能な消費と生産について書かれています。その中には水質汚染や水資源の確保、食料の大量消費や廃棄、エネルギー消費について書かれています3。この目標12を達成するために大切であるとされる「エシカル消費(倫理的消費)」という考え方があります。1990年代後半からイギリスで発展してきた考え方だそうです4。消費者庁によるとエシカル消費は「消費者それぞれが各自にとっての社会的課題の解決を考慮したり、そうした課題に取り組む事業者を応援しながら消費活動を行うこと」と定義されています5。もっと簡単にいうと自分のことだけでなく、自分以外の人や社会、環境のことを考えていい未来に向けて行う消費行動のことを指します6

皆さんは何かを買ったり、食べたり、使ったりする時にそれが社会や環境にとって良いかどうかどの位意識されているでしょうか。内閣府の「消費者行政の推進に関する世論調査」(2015 年 9 月) では「環境、食品ロス削減、地産地消、被災地の復興、開発途上国の労働者の生活改善など社会的課題につながることを意識して、商品・サービスを選択しようと思っている」と回答した人の割合は64.3 %に上ったと報告されています7。また金融のエシカル化、ESG投資が注目されるようになり、企業がE(Environment、環境)、S(Social、社会)、G(Governance、ガバナンス)に関する課題に取り組むようになったことも、社会のエシカル化を後押ししているとされます8

洗濯などの洗う行為においても出来ることが多くあると思います。冷水を使う、すすぎ回数の少なくて済む洗剤を使う、環境に優しい洗剤を使う、洗剤をきちんと測って使う、洗う回数を減らす、乾燥機は使わず日干しする、エネルギー効率の良い洗濯機を使う、洗濯の時発生するマイクロファイバーを取り除く製品を使う等、洗濯という行為一つとっても環境や社会に配慮できることが沢山あります。少し大変であっても限りある資源を大切に使うという意識が大切であるということを、このパンデミックから学び、日々実行していきたいと思います。