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 ■vol.38 プラスチック廃棄物が船の燃料に?

(キーワード:プラスチック、廃棄物、サーキュラーエコノミー、二酸化炭素排出量)


Anthropocene誌から米国科学アカデミー紀要に掲載された新しい研究を紹介します。この研究ではプラスチックごみを船上で燃料に変え、自力で海の清掃活動を行う方法について報告しています。海には毎年480万トンから1270万トンのプラスチックが流れ込み、多くは海流によって形成される渦の部分に蓄積されています。このプラスチックごみを、小型船を使って除去するプロジェクトが実施されています。研究者らは、水熱液化法(HTL)という技術を活用し、プラスチックを燃料として使用できる化学物質に変換すれば、船だけでなくHTLリアクターを動かすのにも十分な量の石油が生産できると報告しています。海洋プラスチックを燃料に変えることで最終的には二酸化炭素が排出されるものの、新たな化石燃料の排出がなくなり、また海をきれいにすることができるので、環境にとってもよい影響を与えるとしています。洗剤や洗剤の原料に関わる物流で使われる船の燃料としてプラスチック廃棄物が活用できるようになるかもしれません。詳しくはこちらをご覧ください。