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 ■vol.6 服のレンタルは環境に優しい?

(キーワード:繊維、洋服、ファストファッション、資源、環境負荷)

皆さんは一着の洋服を捨てるまで何回着ていますか?

ファストファッションで安く洋服を買って、長く着ずに捨て、また新しく買うというサイクルを繰り返すことの環境への影響について前回のブログで紹介しました。では、洋服を買わずにレンタルしたらどうでしょうか?最近では洋服のレンタルも身近になりました。ただ、洋服のレンタルは本当にサステナブルなのでしょうか。

まず衣料品の配送について、MITのサプライチェーン・マネジメントに関する研究者、ホセ・ベラスケス=マルティネ氏は「すべての衣料品をあちこちへ動かす返送や輸送などの活動は、ファストファッションの一般的な配送よりも排出量が多い」と指摘しています。オンラインで借りたアイテム1点を返却すると片道で20キログラムのCO2が排出され、特急便の場合は50キログラムになるそうです。

また配送で使われる包装も廃棄物を生んでいます。実際ダンボールのリサイクル率は低いとの報告もあり、プラスチックの袋に入っている場合もあります。またレンタルされた衣料を洗濯するのにも環境負荷がかかります。特にドライクリーニングをしている場合は環境負荷が大きいそうで、シアトルの毒性学研究者、スティーヴ・ウィテカー氏は有害でないドライクリーニングは存在しないと発言しています。

また、レンタルできることでより多くの消費を誘発する上辺だけのシェアリング、シェアウォッシングという考え方もあるそうです。衣料のレンタル会社も倉庫や配送に再生可能エネルギーを活用したり、包装廃棄物を減らしたり、水洗いクリーニングに変えることで環境負荷を減らすことは可能だとしても、一番シンプルな解決策は、「すでに自分のクローゼットに入っているものを着ること」だそうです。衣類一着に関する環境負荷を砕いていくと様々なプロセスがあることがわかります。ファッションをサステナブルに楽しむには、まだまだ課題は多いものの、私たちひとりひとりが衣類の購入やレンタルの活用において、製品のライフサイクルを考えることができれば環境負荷も少しずつ減らしていけるように思います。ぜひこちらもご覧ください。