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 ■vol.7 ライフサイクルアセスメントとは

(キーワード:ライフサイクルアセスメント、環境負荷)

私たちが日々着用している洋服を取り巻く環境問題について取り上げましたが、一着の洋服をとってみても、生地の繊維から、生地を製品にする生産過程で使用する資源・エネルギー、製品の配送から廃棄まで、さまざまなプロセスで環境負荷があることがわかりました。このようなプロセス全体の環境負荷を総合的に見る方法としてライフサイクルアセスメントというものがあります。

ライフサイクルアセスメント(Life Cycle Assessment: LCA) は、「製品やサービスの環境への影響を評価する手法」の一つで「対象とする製品を産み出す資源の採掘から素材の製造・生産だけでなく、製品の使用・廃棄段階まで、ライフサイクル全体を考慮し、資源消費量や排出量を求め、その環境への影響を総合的に評価する」ことをいいます(参照)。製品の「ゆりかごから墓場まで」の環境負荷を定量的に評価したものとも言われるそうです。

花王株式会社も、このライフサイクルアセスメントの考え方で、環境への影響を検証しています。環境のことを考えた原材料調達をしたり、工場では資源はムダなく使うことを徹底し、太陽光発電やCO2排出量ゼロの電力を使ったりしています。輸送時も遠くまで運ぶ時には鉄道や船を活用するなどして、輸送時のCO2排出量の削減に努めています。またアタックZEROのようにすすぎ一回ですむ衣料用洗剤の開発をしたり、つめかえ・つけかえ製品を提供したりして、「使うとき」や「捨てるとき」の環境負荷低減にも努めています。

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(花王の環境情報サイト「Let’s eco together!」より)


皆さんはお買い物をする時に製品のライフサイクルを考えてみたことはありますか?少しでも環境に優しい製品を買おうとしたり、エコバッグを持ってお買い物に行ったりされているかもしれません。そこから一歩進んで、その製品がどうやって作られていて、生産過程ではどう環境に配慮しているのか、過剰生産の結果、大量廃棄して埋め立てに回っていないか、配送でCO2を多く排出していないか、など、さまざまな視点から製品を見てみてください。消費者が賢くなることが地球の資源を大切に使うことにつながるということを意識して行動してみてください。 未来洗浄研究会のイベントでもライフサイクルアセスメントについて取り上げました。そちらのイベントレポートもぜひご覧ください。